そして、Tシャツを作ることに決めた

 aalto coffeeをはじめたときに決めたことがいくつかある。そのうちのひとつが、オリジナルのマグカップとステッカーとTシャツを作らない(3つあるじゃん!)というもの。15年前、カフェや雑貨店が自店の名前を入れた(しかも大きく!)この3点のグッズを作るのが流行っていた(ように思う)。

 だけど、そこはひねくれもののわたくし、流行りには乗らない、そんな理由でつくらなかった。

 コーヒー豆屋だから、コーヒーの加工品は作らないと嘯いていた手前、グッズは宣伝と収入両面ともの手助けになるから是非とも作りたい、で考えた結果、コーヒー缶やバッグやピンバッチをつくった。

 今でこそポピュラーなコーヒー缶も13年くらい前は中川ワニ珈琲さんの通称ワニ缶くらいしかなかった(大手コーヒー屋さんのロゴの入ったものはいっぱいありました)から、これはオリジナルで作らなきゃと、製作してくれる工場を探し、デザインを佐々木美穂さんに依頼した。とてもいいものが出来た。いろんな雑貨屋さんでも取り扱いいただき、徳島の小さなコーヒーロースターの宣伝に一役も二役も買ってくれた。そして、今もコンスタントに売れ続けている。

 

 コロナウイルスの世界になり自粛自粛、たくさんの人がいろんな方法で収益を上げようとしている。私もいろいろ考えた。考えて考えて、なんにも浮かばなかった。

 いろんなアイデアを得るという名目で(本当はただの暇つぶし)SNSを見ていたところ、自分のアイコンが黒髪のままだったことに気づいた(昨年の10月から金髪にカムバックしているから遅すぎる)。イラストレーションを描いてくれた作家さんに現状の写真を送り新しい絵を描いてもらった。その絵の私が着ているTシャツの胸にaalto coffeeを書いてあった。

 その絵をぼーっと見ていて、なんだかわからないけれど、このTシャツを作らなければならない、そう思ったのだ。

 Tシャツを作りたいのではなく、この絵のTシャツを作らなければならない。

 

  こだわりも信念も無いから、自営業を続けてこれたような気がする。なんとなく作らない方がいい、なんとなくだけど作らなければいけないような気がする。ノーロジックに世界でaalto coffeeは15年間漂ってきた。そして目指すところもないまま、今この場所に立っている.

 

 って、どこだ、ここ(笑

 

 フロイト流に言えば、無意識の意識で判断しているのかもしれないが、それならそれで、いい。ただ、このなんとなく思うこの感じをこれからも大切にしていきたいなと思っている。それが間違いだったり失敗だったりしたところで、どうってことないし。

 鮮度のいいコーヒーをお求めやすい価格で販売する。

 それは絶対譲れないけれど、それ以外は譲りっぱなしでいいや。

 

 そういうわけで、Tシャツ作ります。

 完成したら買ってねー

 

 って、ただの宣伝ブログかよ!