いいねが全然なくても

  ツイッターのツイートに、いいねが全然つかない。

 インスタグラムの投稿に、いいねがあんまりつかない。

 フェイスブックのいいね機能は私には作動してないようだ。

 

 本を何冊か出している。初版はなんとかクリアしている(小説はまだですが。。)たくさん売れる本はない。版元が赤字になるような迷惑はかけたくないが、たくさん販売したくない。ベストセラーよりロングセラー。何十年も少しずつ売れるものを作りたいのだ。 

 売れるものを作りたくない。でも、関わる人たちに迷惑はかけたくない。兼業の身勝手な言い分だ。とにかく、本としての佇まいがいいものを作りたい。そしてその本を届けたい人に届けたい。そして、届けたくない人には手にとって欲しくない。

 ありえないよね、そんな言い分。でも、コーヒーもそうやってきた。

 

 誰でも買えると思うなよ。

 

 お金があれば誰でも買える社会。それが公平だとされている。そうかもしれない。だけど、私は公ではない。自分のお金で頭で体で生業をしているのだ。買う人が店を選べるように、私も自分の作ったものを買ってくれる人を選ぶのだ。

 

 おいおい、偉そうだな。

 

 いいねが全然なくても、ツイッターでしか呟いていない、深く焼き過ぎたコーヒーを買いに来てくれる人がいる。

 いいねが全然なくても、腰大丈夫?って声をかけてくれる人がいる。

 いいねが全然なくても、バレンタインのチョコレートもくれる人がいる。

 

 いいねが全然なくても、見てくれている人はたくさんいるんだ。

 

 どこを向いて仕事をしていくのか。なにをやるのか。大切なことを見失わないようにしなくては。全然話題にもならないし、検索しても出てこないし、たまにあったら悪口を言われてる。

 だけど、ずっと売り上げは上がってるし、在庫を抱えておろおろすることもない。見えないけれど、感じているよ、そこにあなたがいること。

 

 でもね、たまにはいいね押してくれるとうれしいなあ、なんて思う私です。