夏の終わりとマシンガン・ブルーズ
突然の夏雨を避けるように長い長い坂を下り切った場所は坂だった
ありとあらゆることが語りつくされもうそこには何もないはずなのに
まだ言葉を信用しているっていうのは滑稽なことなのだろうかと君が言う
古いビルの屋上に鎮座するぼんやりとした球体の前に神様はいる
神様を作ったのは人間だから神様はこの世界で殺戮を繰り返す
無常であるのは鏡わたしたちの鏡なんだぜと嘯くマリガン・ジョー
たどり着かない城に向かうかとにかく井戸を降りて行くのか
決めるのは自分だとしたら長い長い坂を下り続けるほうがいい
いろんなものに出会うけれどそれらは自分になんら影響を与えるものではない
この世界の外側があると思っているように自分の内面など思い込みに過ぎない
操る人のいない傀儡だからと言って中心には何もないなどと言うつもりはない
誰かがハローハローと誰かを呼んでいる
どこまで行っても一方通行のこの場所で
どこまで話したっけ?
まだまだ夜は明けないから最初から話そうか
眠くなれば眠るといい
たいした話じゃない
君にとっても世界にとっても
もちろん私にも
邪魔をしたくないし尊大な態度をとりたくないあくまで謙虚で倫理的でありたい
悲しい人がいると一緒に悲しみ喜んでいる人がいるとすっとその場を後にしたい
やがてくる寒い寒い冬の準備をしなきゃ
至るところで神はせっせと作られている昨日も今日も明後日も
だけど作られる神以上の数の天使たちが至るところのいるのが見える見える
だって夏はもう終わるから