ひとりで全部やること
生豆の仕入れ、包材の選択、各種デザインの打ち合わせ、焙煎、梱包、店番、メールや電話、ファックスの返信、 イベントの仕込みや出張のあれこれの手配、支払い入手金などお金のこと、でもってコーヒー教室やコーヒースタンド、なんか文章書いたり、店の掃除、などなど。
ようは、aalto coffeeにまつわる一連の業務をすべてひとりでやっている。
って、すべてひとりでやっているわけではなく、妻に助けてもらいながら、もちろん業者さんや関わりのある人すべてに依存しながら。
だけど一連の業務のすべてを自分ひとりの意志決定でやっている。
そのためにどれかひとつにかかりっきりになることがない。
いつもすべてを並行して行っている。
大学を出て就職したのは地元の旅行会社。
大手と違い、営業から企画、手配、仕入れ、見積もり、旅程管理、清算、入金まで担当者が受け持っていた。
旅行シーズンともなるといくつもの事案を抱え、いま自分が何をしているのかわからなくなっていた。
最初は失敗ばかり、だけど何年もやっていると次第に出来るようになっていくもの、不思議だけど失敗の数も減り、同時にいくつかのことを処理していく能力が上がっていった。
旅行業はまったく向いていなかった(入社して3日でやめようと思った)けれど、この会社で10年いたことは自営業をはじめてとても役に立った。
経験に無駄なものなんてない。
なんて言ってるんじゃない。
ただ、経験は時に役に立つ、だけどそれは後に役に立つと思っていないことをやっていればの話。
目的と手段、どちらも違う。
ただの結果だ。
人には向き不向きがある。
だからって最初から得意なことを伸ばしましょうとか、苦手を克服しましょうっていうのはちょっと違う。
ただすべてを並行してやっていく、もちろん失敗しながら。
得意も苦手もない、やらなければいけないことは坦々とやるのだ。
でもって、食えるようになり、いっぱいいっぱいになったら自分がイヤだなあと思う仕事を得意な人にやってもらう。
もちろんプロフェッショナルに有料で。
税理士事務所にお金の管理を任せている。
年に数回焙煎機メーカーからメンテナンスに来てもらっている。
生豆は信頼できる問屋から仕入れている。
今はね。
だけど最初から全部外部に任せたり、得意な人を雇ったりすると流れが見えなくなる。そう自営業で一番大切なことは流れなのだ。
最初から最後まですべてに自分の手を入れること。
それが何より大切だと思う。
小さなままを維持しようと、大きくしようと、最初はみんな同じ。
現場は生き物、それを忘れてしまうといずれ躓くような気がする。
そう、このブログは開業して15年経って気を抜くと初心を忘れがちになる私に向けて書いている。
全部やるんだよ、これからも、それがaalto coffeeだろ?